ねとすたシリアス特別編(12/19 18:30〜20:30)「民主主義2.0について」まとめ
Ustで当日Streamingもあったようですが、録画放送ではないようなので手書きメモからまとめ。
電源があるかよくわからなかったので手書きメモからの再現です。
ほとんど発言内容書いてないですが、(後半の高校生部分など)濱野さんの優しさが随所で光る内容でした。
(と、ほとんど発言を記録できていないのでフォロー)
※ 尚、カッコ書き部分はすべて私が書いた補足で、ご本人の発言ではありません。
ノートに書いていたので所々抜け落ちていたり、記憶違いで異なる人の発言に成ってしまっている箇所があるかもしれないので
当日チェックしていた方の中で明らかなミスがわかった場合には教えていただけると助かります。
■出演者
- hamano_satoshi : 濱野智史さん(司会)
- hazuma : 東浩紀さん
- wakusei2nd : 宇野常寛さん
- ryuji_fujimura : 藤村龍至さん
■枕
hazuma :
(会場の男女比が10:0だったことから)地球から女性がいなくなった
hazuma :
Web学会にUstを含めて5000人の人が集まったことはすごい。
Webから社会を考えることは良いことだ。
朝生(朝まで生テレビ10月)からの流れで、今回の場がある。
ネットサブカル的なものから民主主義2.0への萌芽のようなものが出てきている。
hazuma :
固定客ばっかりだ
(昔は建築が理系の知性を集めていたが)最近は理系の知性が建築からWebに移行した。
今回は建築の知性でこの場に参加する。
(テレビ批判的な発言で場を一気に盛り上げる)
司会はよくわからないからお伺いをたてながら適当で行くw
■「超線形プロセス論」とは
建築は魚の卵が孵化して成長していく過程の連続写真のように設計できる。
(孵化前から1日目、2日目のような連続写真を並べたもののPowerPoint)
これを「超線形プロセス論」と呼んでいて、以下の制約を守って設計する。
- ジャンプしない
- 枝分かれしない
- 後戻りしない
具体的な作業としては、何か決定があるたびに模型にする。
この作業をずっと繰り返していくと形のルールがオーバードライブして何かひとつの形に収束する。
1回の決定で1つずつしか変更していかないが、最終的にすべての条件(決定内容)を満たすように作る
模型を連続的に作成することにより手続きを明らかにする。
この方法論は大きく分けて次の2つのフェーズに分けることができる。
- ルールを発見する段階 →検索フェーズ
- パラメータ決定後の段階→比較フェーズ
ryuji_fujimura :
この2つのフェーズに分かれることによる効果として
- 固有性の正確な読み込み
- 複雑性の確実な構築
- コンテクシャルかつスピーディーな建築の実現
■「超線形プロセス論」を踏まえて民主主義2.0について
建築の話が政治に(民主主義2.0に)どう繋がって行くのかということについて超線形プロセス論は
例えば、「子供手当て」等にあてはめることができる。
つまり、マニュフェストを積み上げるような形の使い方ができるのではないか。
入力を増やすことは、コンピューティングパワーの増大により簡単に実現できるようになっている
問題は、出力データの統合プロセスにある。
建築デザイナーは、この統合プロセスを担っているのでここを今後研究する必要がある。
プラトンが書いたものに「国家」がある。
主な要旨は「国家は一部のエリートによって正しく導くべき」といった内容だが
こういった考え方についてはどうか。
常に始まりは同じ形からその後の条件設定により分岐する人(建築家)もいるが
今回のもの(説明で利用した模型のビル)はボトムアップする方法をとっている。
集団で行う作業は調整の連続となるのでアルゴリズムの把握が必要になってくる。
hazuma :
携帯(twitter)見ていると話がわからなくなる。
(現実的な話として)法律や予算を実際に握っている(運用している)のは官僚だが、
我々が選挙で選んでいる代議士は政治家である。(政治家≠官僚)
「主権は人民のものであり、人民が政府(官僚)に付託し、政府(官僚)は人民に資する」
というループ構造からすると、政治家は本来必要なかった。
(今の民主党政権は)政府(官僚)信用できないから政治家にと言っているが
政治家を中抜きしてしまえばいい。
もしくは国会議員を1万人にしてしまえばいい、どちらもラディカルだが。
国会議員が1万人になれば、10000票程度の得票で政治家になることができるようになるだろう
つまり、Twitterで1万人のfollowerがいる僕でも国会議員になれるw。(可能性として)
1万人になれば、「俺飽きたからもうやめるわ」とかもっとゆるい感じになるだろう
もっとカジュアルな存在にすべきだ。
ラディカルな話だが、0でも1万人でもどちらでもよい
まとめると民衆と政治家の間には連続性があるが民衆と官僚の間には連続性が無い
建築家にはアトリエ建築家と組織的な建築家がいる。
表層(内装など)を決定する建築家と深層(構造など)を決定する建築家がいる。
アトリエ建築家が表層を、組織的建築家が深層を主に担当しているがイオンのショッピングモールなどは全てを組織的建築家が担っており、アトリエ建築家不要論が出てきている。
専門家ごとに今は決定されていて、領域最適化しかしていない。
その(専門家)集団同士でパイを奪い合っている。
デザイナー(的な立場の人)がそれを統合していくという話か?
住み分けているものを統合する第三の職業が必要である。
hazuma :
民主党は各論のみで統合する作業をやっていない。(マニュフェストで)
国民は民主党を選んだが、このマニュフェスト自体が問題ないかをチェックすることができる「チェックシステム」が必要である。
今の民主党の状態は「がんばります」とか「政権交代したらお金が出てくる」とか
要は「明日から本気出す!!!」といってるだけに過ぎない。
民主党がああいいったマニュフェスト自体を書けなくなるようなシステムを作るべきである。
項目ごとの選挙がよいと思っているが、単一の変更についてその変更をすることによって
その場で「財政がXXのように変化します」などの出力が表示されるようなシステムがあればよい。
藤村さんの仕事は、作成した模型を変更のたびに施主に見せに行っているからログが残っている。
同じように社会にとっての「模型」を作れないか。
言葉だけでの設計は可能だが、絵にすると誤解が無くなる。
昔は実空間でやっていたが、今は無理なので。(模型でやっている?)
■宇野さんのターン
アーキテクチャ派に対して社会運動2.0として行われるのではないか。
社会運動史を考えると、「自分探しをすれば良い」という結論になっている。
しかし、この流れでロスジェネが生まれている。
ボトムアップによる意思集約は
の2種類に大きく分けられ、日本ではこの15年うまく行っていない状況がある。
この閉塞状況については北田暁大(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%CC%C5%C4%B6%C7%C2%E7)が一番考えている。
北田は、常に自己診断を走らせて自己の状態を確認し強くなるべきだと考えている。
hazuma :
荻上チキも同様の考え方をしている。
「文学」としては同意するが、これは美学でしかない。
民主主義2.0は(このような状況の中で)ようやく機能しそうなシステムに出来そうである。
ボトムアップ型として。
「文学」に全部回収されてしまった「自分探し的物語」を取り返すべきである。
(現状は「政治」と「文学」で奪い合いをしているが)
「政治」と「文学」は別れるようにしないとこれから先はだめだ
(「政治」と「文学」については村上春樹のエルサレム演説 http://anond.hatelabo.jp/20090218005155 などに)
hazuma :
(旧来は)文化的左翼、言い換えれば「文化的左翼運動」から脱出する方法が無かった。
選挙と社会運動が(政府を動かすためには)必要だったが、社会運動がうまく行っていない。
選挙以外での集約方法が必要である。
ロスジェネの人と会話する機会があったのでロスジェネの看板になっている人について
(特定の思想に寄っているなど)一般人の理解を得ようと場合にマイナスではないかなど、聞いてみたが
そうしないと人が集まらない(メディア・支援者)ので仕方が無い、3の善、5の善レベルであることは自覚している。
こんな「撤退戦」をどれだけ続ければよいのか。
「社会運動」をどこかでRejectしないといけない。
ネットを声の大きな人が支配する状況になると危険視されるので、
ある種意味の無い作業がほかに影響するような(入力と出力が切り離された)システムにしたほうがいい。
hazuma :
選挙においては影響力の高い、つまりロイヤリティの高い人を確保すれば、その動員によって当選することが出来る
その(ある種ゆがんだリアルの)状態とネットでWikipediaの編集厨を多く抱えて誘導することに大きな違いはないはず
(その意味において)リアルもネットも同じである。
それにネットであればシステム的に「Block」することが出来る!僕の大好きな「Block」
街宣車の圧力に屈しているような状況でブロガーに文句を言うのはおかしい。
僕は街宣車自体は問題ないと思っている。
つまり、やりたい奴が声を出すことは問題なく、自分が気に入らない場合にそれをシャットアウトするシステムがあれば良い。
文学的に言うと、「文学」と「政治」をどのように完全に切断するのかということになる。
hazuma :
今の政治状況は、要はイデオロギー対立の状態で「移民問題」とかが出てくると機能しない。
今は単純な利益分配の話なのでうまく行っている。
つまり実際にやっていることが全体の微調整で済んでいる。
(例を挙げると)「日米同盟をやめる」と言い出す人はいない状況で、せいぜい「基地をどうするか」というレベルでしかない。
55年体制の時代における問題設定がそのまま温存された結果、
80年代から今までの経過の中で社会についての議論や問題設定が発生せずに
ヤスクニのような55年体制の話を引きずっている。
hazuma :
「何が政治的問題か」の設定が古い。
新たなISSUEが無いので、変数の変更を繰り返すだけで済んでしまっている。
hazuma :
アジェンダセッティングが重要というが、(ある問題が)操作できる時点でたいした問題ではない。
真に重要な問題であれば、アジェンダは自然に決まる。
今の日本の政治に(変数の調整で間に合わないような)新しい関数が出てくるのが
何時になるかはわからないが、そのときに関数は自然に発生する。
Query文をどう書けばよいのか。
(このような状況下で私が)本をがんばって作っているのは、アジェンダセッティングする権利を手に入れるためである。
靖国問題は趣味の領域の問題になっているが政治ISSUEの扱いをされているのは一部の人に必要とされているから(55年体制時の問題が)引きずられている。
ここをどうにかしないとロスジェネにはフォーカスが行かない
公共建築があるが、これに住民参加型のものがある。
住民参加のワークショップなどを含むように、
「壁面の配色を決めさせる人」「ダイヤグラムを使う人」「住民に意見を出し尽くさせてから動く人」など様々な方式がとられている
これをシステマチックな設計で行おうとすると工学ではまかなえない部分があるのではないかという話になるが、「民主主義2.0」はどうか。
hazuma :
才能の有り無しがあり、才能ある人が集まったほうが良い物が出来るのはそうだが、
無い人が集まっても良い物が出来るのではないか
建築のプロセス像を見せることによってフィードバックを得ることが重要である。
ある種の「イメージ」の更新が必要。
昔の話だが、知り合いに政治家のWebページを作っているのがいて、
政治家のWebページは見に来る対象が高齢層であるから、わざとダサイページを作っているという状況があった。
ロールモデルの問題だが、国会で居眠りをしたらチェックされ話題になるような時代に
なぜ(2ちゃんねるの)VIP板にスレを立てるような議員が出てこないのか。
「今国会中だけど何か質問ある?」のような。
hazuma :
「若者層の支持」<>「高齢層の支持」というようにトレードオフの関係になっているので
(より選挙に投票に行く可能性が高く組織がある)高齢者を狙うほうがプラスに働く。
出版でも同じことが言えて、非常にネットに弱い。
今の時代に紙媒体に広告をバンバン打っている。つまり、出版社が高齢者層を狙っているような状況の限り無理がある。
VIP板にスレを立てないのは(トレードオフの関係になっているので)高齢層に知れると支持されなくなるから。
朝生でもそもそも田原総一郎に主導権を握られた状態で議論が行われている。
朝生の中で赤城さんや雨宮さんが「若者に金をよこせ」と主張していたが、その主張を老人の眼前で行っている状況。「お前から取るぞ」といわれて老人が出すわけが無い。
人口全体が高齢化している以上、高齢者が自発的に手放すわけが無い。
ネット投票にすればこの状況は少しは変化するのではないか。
民主党の政策に「子供手当て」があって、またそれとは別に「児童手当」がある。
「児童手当」は10000円で3歳までだったのが「子供手当て」で13000円になり期間が延びるという政策。(2年目から26000)
(財源が問題になってきて)まず始めに「子供手当て」を切るということはその層が
票田ではないということを表している。
人口比があり元々不利だが、建設反対されている場所で何か決定するときに説明会が開かれるように
それをやることによって(悪)感情や(悪)印象を低減することが出来る。
また、最近の住宅展示はPC上などでシミュレーションして(どのような仕上がりになるか)可視化することが出来る。
具体的なビジョンを見せるべきだ。
説得は無理なので、理解を得る必要がある。
高齢者にとっては「ネット」=「若者」である。
ビジョンとしては何があるのか。
(今までの話はリアルからネットへの)インフラの変更であってストーリーが無い。
「民主主義2.0でこうなる」的なベーシックインカムであるとか20年,30年後の状況のビジョンを見せることが必要ではないか。
(この意味で?)東さんの仕事では「ギートステイト」(http://blog.moura.jp/geetstate/)を一番評価している。
具体的な話が欲しい。
ビジョンは模型と言っていたが、意見を見えるように可視化するものが必要だ
二大政党制がそんなに流行らないのは、問題に対する差異があまり無く、
利害調整をしている状態だから。
hazuma :
マニュフェストが撤回されることが保証されるべき
民意をもっとビジュアライズできるようにしてからビジョンを出すべき。
つまり、今やることはビジュアライズ化を進めることで、ビジョンではない。
日本はこれからものすごい勢いで人口減少していくがものづくりパワーなどで何とか成ると言っている。
しかし、国力を維持するためには20年,30年後にもっと人が必要である。
日本全体の民意が可視化され、バランスを取れるようなシステムを作るべき。
(例えば)民主党は政権を取ったので、バラマキを国民がOKと言ったのだから躊躇せずに粛々とすすめ、財政を破綻させて日本人はそれを受け入れるべきだった。
政権交代する=バラマキだったのだからその方針で行くべきだった。
もっと自分たちの意思が反映されるようにすべき。
結果が可視化されていると良い。
「シュリンキングシティ」「ファイバーシティ」など、
東京などの場所で急激な人口減少が発生した場合にどうなるか等の
いろいろなデータをビジュアライズして具体的に判断できるようになっている。
(バラマキを続けた結果の)暗い未来についても見せるようにすべき
90年代の後半からMMORPGが出てきてこれには経済学者が注目していた。
いわゆる仮想シミュレータになっていて経済の動きが見えると期待されたから。
このように日本の未来が再現できるようなゲームを作ってもよいのでは。
■Twitter世代の高校生登場
hihumi :
廃れる未来を小説化したいと考えている。
フィクションの世界にジャンプしたい。
(この後クラナドASについて熱く語って客の心をがっちりキャッチ)
うん、知ってる知ってる。
うん、わかるわかる。
でもクラナドASって何時やったの?
hihumi :
アニメを最近見た。
普通の話は付き合って終わるがこれはその後の物語も描いていて結婚して子供まで作る
(クラナドASについて熱く語る、さらに客の心をがっちりキャッチ)
この物語は小さな成熟である
クラナドASは主人公が下流で、両親もパン屋をやっている。経済的に恵まれていない状況で
しかも、舞台となる町がファストフード化している。ショッピングモールができるなど。
gottos :
みんなのデータを調整すればよいからその実装をするしかない
東さんが(twitterで)言っていたようにそのためには革命しかない。
hazuma :
私が(twitterで)言ったのは
「一般意思」は英語で「General Will」これはフランス語で「ボロンテ」直訳すると「欲する」
(この「欲する」を表すのは、普段/その時々で)「日本人がどう考えているか」が「一般意思」
政府の意思はこれとは別であるため、(一般意思を集めて影響力を持たせるために)法律は必要ない。
そういった空間(一般意思を集めた空間)が力をもてば、無視できなくなる。
つまり、他に民意を可視化するシステムを作れば他が変化せざるを得ないと言う意味での革命
_cooh :
(システムを作るためには)時間がかかるのでUstでこういった内容を配信していても10年かかったら全員が10歳年をとる。
ネットが重要視されていないことをどうにかするしかないが、現在の利用状況は蓄積の無い即時消費である。
本には参考文献欄があり、それによる連続性があるがネットの情報はリンク先が消失するなどしているので連続性が無い
本や新聞には蓄積があり歴史があるが、ネットにはそれがない。
しかし、ネットにはサービスと言う形で残っていく可能性がある。
10年後もTwitterでつぶやいていたらそれが歴史になっていくのではないか
_cooh :
(ネットには今のところ蓄積が無いので)消えていく状態にあるので(10年後でも)その瞬間的には即時消費なのではないか
■株式会社Contecturesつくるよ!(Contents+Architecture)
いろいろ面白い話をしていて、創業者利益で売り抜ける!とか言っていましたがまったくノートを取っていませんでした・・・
ごめんなさい。